以前記事を書いていたときに、ふと疑問に思ったことがありました。それは熱中することは良くないのではないかということです。一般的に物事に打ち込み熱中することは良いこととされています。私もそう思っていました。しかし問題点があることが分かってきました。
その問題点をみていると熱中することは良くないうことになり、熱中するものをみつけたら出来るだけ早く冷ますようにしなければいけないという結論に至りました。
良くない理由は、長期的に結果を出すことができないことと、自分を苦しめることになるからです。
少し詳しく見ていきます。
目次
熱中することに疑問を持つようになった事の発端
熱中することは、ひょっとしたらいけないことではないかと思うようになったのはこの記事を書いていた時です。
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こちらの記事の中で、寝不足になるくらい熱中することがある人というのは幸せである、という事を書きました。熱中するものがなくてロボットの様な毎日を送っている人が大勢います。そのなかで、物事に熱意をもって打ち込めるものがあるのは素晴らしい事であると。
熱中とは
他のことを忘れて、一つのことに心を注ぐこと。
引用:大辞林 第三版
物事に熱中するという事は燃えている状態です。そもそも燃える事は果たしていいのかどうか、という事です。熱意をもって行動することは素晴らしい、というのがそもそもおかしいのではないかという事です。
なぜなら通常の状態ではないからです。熱中するとその時は何もありませんが、熱が下がれば反動が来るものです。上がった熱はいつかは下がります。私たちは物質世界を生きています。人間の体は寝なければ体は回復しませんし、休憩しなければいけません。熱中しているときは何も感じませんが、ふとした時にどっと疲れが出るものです。
熱中する事の弊害と解決策
熱中する様なことというのは好きなことです。少々壁があったとしても、精神的にはきつくないでしょう。しかし体へのダメージは蓄積されます。それがうまく事が運んでいるときは精神的肉体的にも安定しています。しかし、いくら好きな物とはいえ、良くないことが起これば精神的にきつくなる時が来ます。
熱中する何かを見つけたのなら、次の段階に移行していかなければいけません。通常状態で、それを保つという事です。熱中しなくてもそれが出来る状態です。呼吸するのと同じように自然とその状態を保てるように徐々に段階を持っていきます。そうすれば燃えることもなく疲れもたまらず次のステップへ行くことができます。
例えばプロ野球選手は、全ての人が野球が好きで、野球をやり続けてプロになった人達です。そもそも好きでなければ続けることができませんし、好きでなければ練習にも耐えることが出来ず上達しないからです。ところがプロになり、様々な挫折を味わうことになります。どんな一流の選手であっても、常にベストな調子を保ち続けることは出来ません。厳しいヤジなど、様々な周りの声もあるでしょう。そうすると次第に精神的にきつくなり、好きだった野球が嫌いになるという事はよく聞く話です。野球が好きであるという事は原点ですが、ちょっと野球から離れたいと気持ちになります。
学生の頃は熱中してやっていたに違いありません。むしろそういう人でないと突出することは出来ないからです。そしてプロになり、一日中野球と携わることになります。学生の頃であれば学業もあります。社会人であれば仕事があります。全て野球に打ち込める環境になった時に同じテンションでやり続けると潰れてしまいます。それは熱があるからです。淡々と練習して上達する。淡々と筋トレして力をつけていく。決して熱中することはなく続けていく選手が上にいけるのではないでしょうか。
要するに続けるために熱を冷ます必要があるということです。
プロであれば20年間現役でいようとします。そうすれば少しの故障も避けなければいけません。常に体の声を聴きながらやることになります。熱を持つことで、体のストッパーが外れ、頭も麻痺しているとすぐに故障することになります。そして一度故障してしまうと治すことに集中するため、体が健康な選手より大幅に遅れが出て、成績に差が開き、次回の契約に影響します。
ですので熱中せず冷静に野球と向き合う必要があります。プロになる前と同じ感覚では寿命が短くなるということです。
それと同じような感覚で、一度熱中するものをみつけたら次第に熱を落としていく作業をしなければいけません。
野球を例えてお話ししましたが、全て同じで、熱は体も脳も麻痺させ、一時はむしろ強みを発揮します。しかし、人生は意外と長く、その反動を味わうことになるのです。ですので熱中することは良くないと言えます。
熱は必ず冷めるため、一度熱中できるものをみつけたら、冷静に今の状況を把握しながら、取り組む必要があります。熱を冷ましてやるスピードを落とすということではありません。熱中していたときと同じような取り組みを熱が冷めた状態でできるように持っていくのです。それがまるで呼吸するかのような自然なものになれば理想的です。
熱を持つことがいけないもの
その他の熱を持つことがいけないという例を挙げていきます
怒りは全てを焼き尽くす
燃えるという事で言えば怒りです。怒れば、頭に血が上って、普段やらかさない言動に出たりします。あとで反省しても遅いです。この燃える熱は全てを焼き尽くし、今まで気づいた信頼関係をも燃やす非常に強力なものとなります。
信頼関係などは少しの時間で構築されるものではありません。それは会社であれ個人であれ、何年、何十年と積み重ねて獲得していくものです。それが一瞬で燃えるのが怒りです。当事者同士の信頼関係のみであればさほど影響はありませんが、人はそれぞれ繋がりがあり、周りにも波及することがあります。周りからの信頼もダメにするものになります。
会社で信用がなくなれば売り上げの減少になり、小さい会社では倒産、大きな会社でも大規模なリストラや減給などが行われ何一ついいことはありません。
全ては熱を持つために起こることで、熱が良くないことを表しています。
「もっともっと」という欲
食欲が抑えられない人がいます。私もその気持ちはよくわかります。今でこそ、一日1食を数年間続けていますが、6年ほど前までは1日3食しっかり食べて90キロはありました。食べても食べても、もっともっとという感じで食欲が収まりません。成長期の子供でもないのに食べる必要はないわけです。必要最低限でいいのにもかかわらず、必要以上に食べてしまいます。
欲は人間にとって必要なものです。意欲という言葉にも代表されるように欲は人を成長させるのには欠かせません。しかし、それが行き過ぎるのも人間です。燃える前にやめないと、火がついてしまえば「もっともっと」となります。それは自分を苦しめることになるものです。
このことからも燃えることは良くないという事がわかります。
不平不満を言う
不平不満を言う人の周りには負のオーラが漂っています。最近私はこのオーラを察知する能力が備わってきました。例えその場にいなくとも余韻で分かるのです。常に意識しているとおそらく誰もが感じ取れるようになるのではないかと思います。それを感じることができれば、即刻非難します。
友達が集まり、近況報告などで解散すればいいものを、その後だらだら時間を過ごし、時間が経てば経つほど不平不満が出現しやすくなります。一度不平不満が出現するとまさに炎のように燃え広がり、消火することはできなくなります。真理を分からずに不平不満を言うことを愚痴と言います。
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幸せそうな顔をしているか、どういう生活をしているか。これもすべて燃えているがゆえに起こる悲劇です。
以上の事からもやはり燃えることは良くないという事になります。
まとめ
熱中する何かをみつけたら、徐々に熱を冷ましていく努力をします。取り組む密度を落とすのではなく、冷めた状態でも、熱中しているときのような成果を出せるようにするという事です。
熱中すれば体も頭も麻痺し、熱が冷めたときに反動が自分に返ってきます。その反動は今まで積み上げてきたものがなくなったり、取り返しのつかないような状況になるなど強大な威力を持っています。まさに燃え尽くすという表現がぴったりです。