人間は権威に弱いです。特に日本人は権威に弱いと言われています。誰が言うかによって言葉の重みが変わってきます。当然と言えば当然の話ですが、その性質は時に悪用されるものです。知らず知らずのうちに騙され、コントロールされていきます。今回は権威について考えてみました。
なぜ権威に弱いのかというと、人間は無いものねだりをするからです。自分に無いものは自分がすでに持っているものよりも優れている思うからです。自分に満足し、不満を感じない人は権威を振りかざしてくる人の言いなりにはなりにくいといえます。
しかし世の中は変わってきています。見た目や権威に騙されない人が徐々に増えてきているように思います。それでもやはりごく少数です。なぜなら人間の性質は簡単に変わることはないからです。私たちは知識という鎧を身に着け、本質を見る力をつけることが必要です。
少し詳しく見ていきます。
目次
権威とはどういうものか
まずは言葉の意味をみてみます。
権威とは
1.他の者を服従させる威力。
2.ある分野において優れたものとして信頼されていること。その分野で、知識や技術が抜きんでて優れていると一般に認められていること。
抜粋:デジタル大辞泉
言葉の意味からして、人を屈服させるものであることが分かります。権威という言葉を作った人は、人間が権威に弱いということを分かっていたということでしょうか。
権威とは具体的には、人でいえば医者や弁護士、会計士などその道のトップとされるような人や、有名大学や社会的に支持されている機関などを言い、それらが出す情報や知識なども権威となります。
人は権威の前に服従させられます。またそれが理屈に合っています。なぜなら、服従することで、自分に有利になったり、得をしたりすることを経験上、理論上分かっているからです。しかし頭で考える理屈には限界があります。(理屈は筋道の通った考え方の事をいいます。)
人は理屈に合うように行動した場合、自信を持って行動することが出来ます。しかし、その理屈によって他の理屈が通らないときが多々あります。理屈で考えることが限界である理由はここにあります。
権威に対して服従するとき、自分の思いとは違う時が多々あります。
医療の例え話
人は病気になれば病院に行きます。そういうものだと思っている人は多いです。しかし、病気を治すのは病院でも医者でもありません。自分自身です。
病院にいけば、医者の言うことを聞きます。なぜなら、専門家だからです。医学を勉強し、ある一定の知識と技術を身に着けた人が試験に合格し研修を積めば医者になれます。誰でもなれるものではないため、価値があります。医者の言うことは正しいと思うのが普通です。
しかし医者は、あなたの体の専門家ではありません。人間でひとくくりにしても、体質は大きく違うものです。そして気持や考え方というものは、体を健康に保ったり、病気を作ってしまったりするくらい大きなものです。そういった個々の特徴をとらえた専門家ではないため、ある意味医者は専門家ではないことになります。
近年日本でも何か事あるごとに科学的根拠だのエビデンスだのという人が増えてきました。この記事でも書いたように科学的根拠というのは作れますし、まずは感覚が先行するものであるということを忘れがちです。
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最近は何でもかんでも科学的根拠と言われる世の中になってきました。証拠は?それのエビデンスは?で、根拠は? 科学的根拠を完全に否定するつもりはありません。むしろ科学的根拠というものは大切です。しかしあま ...
科学的根拠も権威です。確率で目に見えないものを可視化し、示したものです。それが有名大学など、更なる権威のある機関が出したものであれば人々は疑うことはありません。
一昔前まで、コレステロールは善玉と悪玉に分かれていました(日本だけです)。そして、食事からの摂取量は決められていました。科学的根拠に基づいてそう判断されていました。しかし、今はコレステロール摂取制限は撤廃され存在しません。なぜなら、今までのエビデンスを否定するエビデンスが数多く発表されたためです。
コレステロールは体内で70%が作られ、残りの30%は食事からの摂取によるものです。食事からの摂取が多くなれば、体内で作られるコレステロールも少なくなります。近年ではLDLコレステロールが多い方が長生きできるというエビデンスもあり、悪玉と呼ばれていたものはむしろ善玉だったことになります。HDLが体内でLDLに変換されることをみても悪玉なわけがないのに、今まで悪玉とされていました。
オオカミ少年は嘘つきで、嘘を戒める物語として伝えられています。しかし、状況から判断してオオカミ少年はむしろ英雄であることが分かります。
このページの下にオオカミ少年の記事のリンクを貼っておきますので興味のある方はご覧ください。コレステロールはタグ(付箋)として記事下から一覧に飛べます。
こんなものは考えれば当たり前で、自分の体が作るコレステロールが体に悪いわけがないのです。
もちろん昔から、悪玉コレステロールが悪くないという人はいたそうですが、権威ある科学的根拠の前で無力です。なぜあなら人々は権威に弱いからです。有名な権威ある機関が出した研究結果は絶対に正しいという判断をします。それがいろいろなところから出されればなおさらです。
患者と医者の間でも同じことです。「先生が言っているから間違いない」と思い、医者が提案する治療を何の疑いもなく受け入れてしまいます。例え疑いがあったとしても、専門家が言うのだから間違いないと思ってしまうのです。
その疑いというのは自分の感覚です。自分の感覚程正しいものはありません。自分の感覚をないがしろにし、他から与えられた知識のみを信用することは様々なところで自分を苦しめることになります。
例えば、現在日本では2人に1人ががんになり、3人に1人はがんで死亡するといわれています。しかし、そんな国は日本だけです。海外ではがん患者は減っています。なぜ日本だけ増え続けているのでしょうか?長寿であるということを差し引いても、上昇し続けるがんに罹患する人の数は疑問を持たざるを得ません。そこで他国との比較で明確な違いが出てきます。それは医療放射線です。詳しいことはまた違うところで書きたいと思います。
2021年4月2日追記。一番下にリンクを貼りました。
体がおかしくなれば病院に行くという間違った常識と、医者の言うとおりにしていれば間違いないという間違った常識からなっています。もし、自分でおかしいと思っても、権威に弱いので、服従させられコントロールされます。
何が権威を強くさせるのか
ではなぜ権威の前では無力なのか、何がそうさせているのかを考えてみました。
どうして自分の感覚よりも、先生といわれる専門家の言うことを優先してしまうのかです。それは自分の感覚が疑わしいと思っているということもありますが、一番の原因は自分の無いものが優れていると思っていることです。ことわざでいえば「隣の芝生は青い」です。既に優れたものがあるにもかかわらず外のものを求める習性があります。
その人がそう思えばそれが100%なのです。例えば、いじめられた人がいじめだと思えばそれはいじめになるのです。人種問題でも、人種差別されたとその人が思えば人種差別は成り立つのです。これが今の世界の基準です。これと同じように、すこしでもおかしいと思えば、それはほぼ当たっています。ところがそれを優先せずに外にあるものを優先してしまうのです。
先ほど挙げたいじめの問題では、周りが「いや、あれはいじめではない。遊んでただけだ。」いわれればそれを採用してしまうようなものです。
人種問題でいえば、「そんなつもりで言ったんじゃない。」と言えばそれを受け入れてしまう様なものです。
自分の中には既に優れた感覚をはじめ、他とは比べることのできないものが備わっています。それを素直に素晴らしと思うことが、権威の服従から逃れることに繋がります。
まとめ
権威に服従することは通常理にかなっていて、得をすることが多いです。しかし、何か違うと思う疑問や違和感は正しいです。
通常考えない人であれば、疑問を持つことも、この記事を訪れることもありません。永遠に服従とコントロールされる道しかありません。むしろ、それはそれで幸せな事なのかもしれません。
人それぞれ違い、その人に元々備わっているものは必要だから備わっているのです。他人と比べてどうということはありません。自分に備わったものは無くして初めてその大きさに気づくものです。自分の持っているものに自信を持ち、コントロールされない人生を歩みたいものです。
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