人は生きていれば怒りを覚えることがあります。生まれて死ぬまで1度も怒らずに過ごせる人はいないのではないでしょうか。なぜ人は怒るのか、どういう時に怒るのかを考えてみました。
人が怒る原因は自分の思い通りにならないところからきます。そこには自分は必ず正しいという思いがあります。少し詳しく見ていきます。
目次
思い通りにいくかどうか
自分は正しい。正しいから、自分の思い通りに行くはずだ。と考えます。
人は思い通りに事が運ぶとうれしくなります。反対に思い通りにいかないと怒りが湧いてきます。特に人は思い通りには動きません。人はそれぞれ外見から性格まで全てにおいて違っていて、感情で動く生き物だからです。
物が思い通りに動かないと使えないものとして捨てることになります。しかし、人が思い通りに動かなければ人は捨てることができません。ただただ怒り、そして悲惨な事件に発展することもあります。その怒りは何が原因となっているのかというと、思い通りに行くと思っている驕慢さが原因となっています。
世の中自分の思い通りになると思っていること自体おかしな話です。
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思い通りにいかないことは悪い事ではない
思い通りにいかないことが続くと辛いです。特に事前に計画していたものが思い通りにいかないとなると困ったものです。
例えば会社であれば、売り上げの目標やノルマがあるかと思います。その目標でありノルマを達成しないと会社は回っていきません。当然目標に向かって頑張るわけですが、思い通りにいかないこともあります。
思い通りにいかなければそれを改善していくのが人間です。どうすれば思い通りにいくかを考えます。そこを改善していく中で成長が出来るわけです。発明などは全て自分の思い通りにさせるという妄想が現実になったものです。今自分が思い通りにいっていないのであれば、逆にチャンスなのかもわかりません。
社会的成功者
社会的成功を収めてる人は全てが自分の思い通りになっていると思いがちです。しかし実際のところそうではないようです。私もいろいろな本を読んで感じることですが、一般的に言う成功者は、連敗続きで唯一勝ったものを伸ばしていったら今日があるというものが多い気がします。ですのでほとんど思い通りになっていないという事になります。
かの有名なトーマス・エジソンは「失敗ではない。一万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」といったそうです。うまくいかないという事は思い通りになっていないという事です。社会的成功者をはじめ、エジソンなど歴史に名を刻むような人でさえ思い通りになっていないのに、凡人である私たちが思い通りになると考えるのは驕慢以外の何ものでもありません。
プロのスポーツ選手
プロのスポーツ選手は小さいときから才能を開花させプロになるという人がほとんどです。苦労に苦労を重ねプロになるというのはイメージがわきません。さっとプロになれるような人でないと活躍は出来ないだろうし、年齢にも限りがあるからです。
子供の時から才能に恵まれプロになった選手でさえ思い通りにはいかないはずです。例えば野球でいえば打者は3割打てれば一流選手です。うまくいけば10割のところたった3割で一流の選手です。しかし、その3割がとてつもなく難しいのです。投手も一流の選手なので当然なのですが、7割がうまくいかなくても一流の選手なのです。
このように才能に恵まれた人達でさえ思い通りにいっていないのに、私たち一般人が何でも思い通りに行くと思うことはおかしいのではないでしょうか。まさに驕慢そのものです。
株のトレーダー
私は20代の時に株のトレードをやっていたのですが、トレードの手法として小さく負けて多きく勝つというのがあります。損失は最小限にして、利益は出来るだけ伸ばすというやり方です。資産を形成している人は大抵これを愚直にやり続けている人です。人にもよりますが、負ける数の方が多いといいます。しかし、うまくいったときの利益が大きいので、トータルで利益を出せるという仕組みです。
とある有名なトレーダーのやり方を勉強しました。その人は当時10億以上を動かしていて、トレードの勝率は3割だそうです。まるで野球選手と一緒です。ところがどんどん資産が増えていくというスタイルです。
7割もうまくいかないトレードがあるわけです。当然トータルでの話ですので、10回連続で損失を被ることもあるのでしょう。それでも同じように資金を投入し続けるメンタルの強さは、一般人からしたら想像を超えたものがあります。
そういう資産を膨らませ続けているメンタルの強い人でさえ思い通りにいかないのです。私たち一般人が何でも思い通りに行くと思っているのは驕慢以外の何ものでもありません。
自分が正しいと思う心
自分が正しいと思うことは、ある意味で自信という事ができます。自信は物事を成し遂げるうえで必須の要素となりとても大切なものです。しかし自信が過剰になり、常に自分が正しいという気持ちになるとこれはもはや驕慢と言えます。
自分が正しと思うことは自分の軸となり、物事に従事するうえで大切なことです。そして自分が正しいと思うことは自由です。ただ、それを人に強要した時点でおかしくなります。
例えば戦争は正しいもの同士がぶつかり合って起こります。正義対正義の戦いです。お互い自分が正しいと思っていて、国同士が譲ることがなれば戦争になるのです。
国同士でなくても、人と人が集まれば意見の違いが出ます。自分が正しいから自分の言うとおりに動けと言っても、納得しない限り動くわけがありません。自分が正しいと思っている方は「なぜ自分の言う通りにしない」と怒り、逆に押し付けられた方は「なぜ押し付けくる」という事で怒るようになります。
自分の意見を押し付けてくる人への対処法
こういう人の対処法は関わらないようにすることです。それしか方法はありません。自分の大切な人であれば、うまく誘導して気づかせてあげるべきですが、基本人は変わりません。真っ向から言えば確実に言い合いになり、お互いのためになりません。
逆に反面教師として、こういう人にはならないようにします。人はそれぞれ違うのです。自分を認めてほしいのであれば他人を認めることです。自分の思想の自由を侵害してほしくないのであれば、他人の思想を侵害しないことです。
間違ってはいけないのは仕事は上司の言うように動き、押し付けられることをやらなければいけません。もし、嫌であるならばその会社を辞めるべきです。人の土俵で生きているのであれば、そこのルールに従うべきです。やめて転職するか、独立して自分のルールのもとで生きていきます。
まとめ
怒りの原因は自分の思い通りにいかないことにあります。
歴史上の人物や成功者と言われる人たちでさえ、自分の思い通りになる事に限りがあります。私たち一般人がなんでも思い通りになることはあり得ません。
怒っている人の共通点は自分の意見を押し付け、それが相手に受け入れられないことです。そして自分が正しいと思い、思い通りに事が運ぶと思っている驕り高いところです。
自分の意見を押し付けてくる人とは関わらないようにします。そういう人は、自分が正しいと思っているため、関わると怒りの渦に巻き込まれる可能性があります。
人はそれぞれ違います。自分を認めてほしいのであれば、他人を認めることをします。