活性酸素を除去するには、体内で作る酵素だけでは到底太刀打ちできません。前回体の外から活性酸素と対抗できるものとして、ビタミンが有効であるというお話をしました。
そのビタミンはどの食品に多く含まれているのか、調理方法などを見ていきたいともいます。
目次
食習慣の重要性
現代、食べるという行為は習慣となっています。時間が来たから食べる、お昼になったから食べる。夜遅くに食べると体に悪いから早めに食べる。食べ物が豊富がゆえにできたものだと思います。
食べ物や飲み物など、口に入れるものはその人をつくります。何を食べてきたかということは、その人をみるとわかります。
例えば食べた量がその人にとって過剰であれば肥満、少なければ痩せという形で現れます。
食べ物の質に関しても、肌つやに現れたり血液検査や病気になるなどして可視化できます。これら量や質は人間の寿命にまで影響を及ぼす大切なものです。
ですので食習慣は生活習慣と並んで非常に大切なものになります。
水溶性ビタミン
体内で作る酵素だけでは、到底活性酸素に太刀打ちできません。体の外から活性酸素と対抗できるものとして、ビタミンがあります。ビタミンは水溶性のものと脂溶性のものがあり、脂溶性のものがA,D,E,K それ以外はすべて水溶性です。
覚え方は、「ビタミンはDAKE(だけ)だけ脂溶性」とすると覚えやすいです。
以下
成分表は文部科学省
日本食品標準成分表2015年版(七訂)から作成画像の表は厚生労働省
日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要から
ビタミンCが多く含まれている食品
ブロッコリー、ピーマン、サツマイモ、ほうれん草
レモン・イチゴ・キウイ・みかんなどの果物は、ビタミンCを多く含んでいます。
野菜・果物 | (㎎/100g)可食分ビタミンC |
---|---|
アセロラ 酸味種 生 | 1700 |
青汁 ケール | 1100 |
アセロラ 甘味種 生 | 800 |
レモン 全果 生 | 100 |
青ピーマン 油いため | 79 |
いちご 生 | 62 |
ブロッコリー ゆで | 54 |
さつまいも 皮むき 蒸し | 29 |
ほうれんそう 葉 冬採り ゆで | 30 |
欠乏すると、壊血病や出血傾向がおこります。
成人の場合1日6~12㎎の摂取で壊血病を回避することができるとされています。
ビタミンCは100 mg/日を超えると尿中排泄量が急激に増えることから、100 mg/日以上は必要ないのかもしれません。
健康な人が過剰摂取したとしても、腸管から吸収されずに尿として排泄されます。腎機能に障害のある人は吐き気・下痢・腹痛などの症状があられることがあります。
ビタミンB₂
ビタミンC同様、目についたものを表にしてみました。
(㎎/100g)可食分ビタミンB₂ |
|
---|---|
にわとり 肝臓 生 | 1.80 |
わかめ 乾燥わかめ | 1.50 |
どじょう 水煮 | 1.00 |
いなご つくだ煮 | 1.00 |
青汁 ケール | 0.80 |
あわび 塩辛 | 0.70 |
魚肉ソーセージ | 0.60 |
(さば類)缶詰 水煮 | 0.4 |
鶏卵 全卵 ゆで | 0.40 |
納豆 | 0.35 |
エリンギ 油いため | 0.24 |
ビタミンB₂は補酵素などのエネルギー代謝としての働きがあります。
欠乏すると口角炎・口内炎・舌炎・脂漏性皮膚炎などの症状が現れます。
400㎎のリボフラビン(ビタミンB₂)を3か月毎日投与した場合でも健康被害はなかったとしています。ですので過剰症は心配ありません。400㎎という量は食事では到底とれない量です。
我々の馴染みのあるものとして鳥の肝臓がありますが、100g可食分当たり1.8㎎です。この100g可食分でも結構な量です。納豆可食分100gあたり0.35㎎です。納豆は2パックで90gほどですので0.315㎎程です
欠乏症の回復としては0.5 mg/日程度の投与で急激に回復するということです。食事からの場合吸収の割合を考えれば、0.78 mg/日という数値になります。
そして1.1 mg/日を超えるあたりから急激に尿中排泄量が増えることからも1.1 mg/日が人間にとって十分な数字であると思います。
この表を見て感じたことは一番左の推定平均必要量が多すぎるなという印象です。0.5㎎日の投与で急激に回復するというのが本当であれば、最低必要量は0.5㎎よりはるかに低いはずです。もちろんそれは最低限病気にならない量です。抗酸化作用として働くには、それより多い摂取が必要になります。
またビタミンB₂はエネルギー摂取量によって必要量が変わるため少食の人は当然必要量が少なくて済みます。
表にある推奨量を摂取するとなると食事だけではなく、他から取り入れないといけないことになります。そもそも必要なのか?数字が大きすぎやしないか?ということです。サプリメントやビタミン類の医薬品がない時代に育った人たちが現在の高齢者の方々です。今はそのころよりも食べ物に恵まれていることは事実です。
この数値を割り出した根拠が書いてありますので是非一度読まれることをお勧めいたします。
報告書の「ビタミン(水溶性ビタミン)」中にあります。
厚生労働省
調理の仕方について
水溶性ビタミンは熱によって溶け出すことが知られています。いろいろ調べてみると、そこまで損失はしないというネット上の記事をいくつか見ました。しかし加熱としか書かれておらず温度が書かれていなかったり実際に食べるものを加熱しているわけではないということもあり、実践的なものではないためあまり参考になりませんでした。
実際に野菜などをゆでたり蒸したりして、食べる際にどれだけの損失があるのかというのを知りたいわけです。
こちらは非常に細かく載っていたので参考になると思います。
食品中ビタミンの調理損耗に関するレビュー(その2)(ナイアシン,パントテン酸,ビオチン,葉酸,ビタミンC)
小島 彩子, 尾関 彩, 中西 朋子
少しまとめると、ビタミンCが水溶性ビタミンの中で加熱調理をした場合に損失が一番大きくなります。
蒸すや焼く(炒める)といった方法では、比較的残存率が高くなります。煮るやゆでるなどの方法は煮汁にビタミンCが溶け出すことになり、酸化などで損耗している可能性もあるとのことです。
私の結論としては
・ゆでて汁を捨てる場合は、さっとゆでるということを心掛ける。
栄養補助食品による摂取いついて
サプリメントなどの摂取はあまりお勧めできません。一概には言えませんが、出回っているサプリメントのほとんどが偽物のビタミンだからです。構造が似ているだけで、人間が必要としているものではありません。
サプリメントは作る過程で精製を行いますが、純度が高いものを作るとなるとそれなりにお金がかかります。ですから安いサプリメントは偽物のビタミンで体内に吸収されることはありません。人間も自然の一部です。自然の構造をしたものしか吸収できません。
吸収されないばかりか、添加物の消化や解毒に酵素やエネルギーが使われるわけですから、むしろマイナスといえるでしょう。
ビタミンCに関しては私もそういうものに頼ってもいいかなとは思います。その際は医薬品を薬剤師に相談して買うと良いと思います。結局それもかなりの添加物で構成されていいるのでどうかとおも思いますが、一般のサプリメントよりも吸収はされると思います。
結局はサプリメントよりも単純にビタミンCを多く含んでいる果物や野菜のストレージュースのようなものがいいと思いますジュースを作るときはミキサーではなくジューサーを使います。ミキサーでは熱が発生し、せっかく一緒にとれる酵素を破壊してしまうからです。