ストレスは良いか悪いかと問われればほとんどの人が「悪い」と答えます。ストレスについて否定的な意見は多いですが、本当にそうなのでしょうか。体に起こる反応はその人にとって必要であり、起こるべくして起こっています。ストレスを避けることは人生をより良いものにしていく妨げになるのではないか。実はストレスは避けない方がいいのではないか。今日はその基本部分であるストレスは悪くないというお話です。
目次
現代社会におけるストレス
皆さんはストレスは体に悪いと思いますか?
・現代社会はストレスの塊だ。
・ストレスさえなければもう少し幸せな生活を送れるのに。
普通はこのように考えます。
一方でストレスは役に立つから受け入れた方が得だ。
と考える人は少ないでしょう。
ストレスが体に悪いという教育
人は聞いたことや体験したことで自分なりの理論を確立していく生き物です。
ストレスは体に悪いという情報をいろいろなところから受け、実際にストレスにさらされたときにそれを経験し、やっぱりストレスは体に悪いと結び付けます。
そもそもストレスが体に悪いと殆どの人が口をそろえて言うのは、そういう教育を受けてきたからです。
ここでいう教育というのは学校での授業という意味だけでなく、テレビやラジオなど、何気なく聞く情報というのは意識していないため潜在意識に届きやすくなります。言い方を変えれば、洗脳と言うこともできます。
潜在意識に届くものは、無意識に24時間365日そちらの方に向かわせます。悪いものであれば非常に怖いです。
ストレスは体に悪いと体に染みついていれば、ストレスが加われば体は悪くなります。
ストレスは悪くない
ストレスは健康に悪いと思うと死亡リスクが高まるという研究結果があります。
1998年アメリカで3万人の成人を対象とした調査で、強いストレスがある場合の死亡リスクが43%も上昇したという結果が出ました。
しかしこの死亡リスクが高まったのはストレスは健康に悪いと思っていた人たちだけで、ストレスは健康に悪くないと思っていた人たちの死亡リスクは上昇しなかったそうです。
ストレスホルモン
ストレスによって副腎皮質からコルチゾールとデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)というホルモンが分泌されます。
コルチゾールは血糖値やタンパク質分解を促進するなどの物質代謝、抗炎症作用・胃酸分泌を促進して粘液分泌を抑制するなどの働きがあります。胃に関しては、コルチゾールが分泌し続けると胃潰瘍の原因になります。コルチゾールはストレスが加わることでエネルギー代謝を促し、体を臨戦態勢にもっていくホルモンということができます。
DHEAは男性ホルモンの一種で、ストレスによる経験によって脳の成長を助ける働きをします。コルチゾールの作用を抑え、免疫機能を高める働きがあります。
2つのホルモンはどちらともストレスが生じたときに出るホルモンですが、長時間コルチゾールの割合が多いと免疫の低下やうつ病などのリスクが上昇します。逆にDHEAに分泌量が高いと免疫力が上がり、精神病や心臓疾患などのストレスからくる病気になるリスクが低くなります。
ストレスは体に悪いと思っている集団と、ストレスには良い効果があると思っている集団とでは、後者の方がDHEAの分泌量が多いことがわかっています。
思っていることがそのまま体の反応として出るわけです。
最後に
ストレスが悪いものではないと思ったところで、ストレスを受けるということは変わりません。そしてそれによって問題が解決されることもありません。あくまで考え方です。
今までの考え、すなわちストレスが体に悪いという考え方を変えていくには、逆の情報が必要になります。
もしストレスが体にいいと思うことができれば、ストレスを味方にすることができるということです。