もともと人間には活性酸素に対抗する防御機能が備わっています。それに加えて食品から摂取する抗酸化物質により、多くの活性酸素を分解します。今日は活性酸素を抑える酵素について見ていきたいと思います。
目次
活性酸素の活性度を下げる酵素
酵素は人間の体の中に約3000種類あるといわれています。
活性酸素を消す仕組みとしては、活性度の高い状態から徐々に活性度を落としていって、最終的に活性を除去します。
SOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)
活性酸素の活性を抑える抗酸化酵素をSOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)といいます。
SODが多いということは活性酸素をより多く食い止めることができるため、SODの量と寿命とは大きく関係しています。
霊長類のなかで寿命の長さとSOD活性は比例するというデータもあります。人間の場合はSODの量だけではなく、生活習慣・食習慣なども大きくかかわっているので一概には言えません。
人間の活動エネルギーは絶えずミトコンドリアから作られますが、活性酸素も同時に作られます。
SODは体の中で最も多く発生する活性酸素スーパーオキサイドラジカルを過酸化水素と酸素に分解します。過酸化水素はスーパーオキサイドラジカルよりも活性度が低いです。活性度が高く毒性の強い活性酸素から活性度の低い活性酸素になるということです。
その後、過酸化水素はカタラーゼや抗酸化物質によって分解され水になります。水はすごく安定している物質ですので、ここまでくれば安心です。
カタラーゼ
カタラーゼは過酸化水素を分解する酵素です。
スーパーオキサイドラジカルや過酸化水素はSODやカタラーゼによって分解されますが、すべてが分解されるわけであはありません。
グルタチオンペルオキシダーゼ
体に残ったスーパーオキサイドラジカルや過酸化水素はより活性度の高いハイドロキシルラジカルや一重項酸素に変化します。
ハイドロキシルラジカルや一重項酸素の除去にあたるのはグルタチオンペルオキシダーゼとグルタチオン還元酵素です。しかしこれらの酵素では不十分でビタミンEやβカロチンなどの物質が必要になります。
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ちなみにグルタチオンという物質があるのですが、活性酸素によって生じた過酸化脂質をアルコールや水に分解する働きを持っています。その際に電子を渡すことで分解するのですが、電子を渡したグルタチオンは逆に酸化します。
その酸化したグルタチオンを元に戻すのがグルタチオン還元酵素です。
最後に
私たちの体には、様々な酵素が活性酸素を除去してくれる「活性酸素の防御機能」があります。本当に人間の体はうまくできていると思います。また酵素は人間の生命線で、ありがたい存在だということを再認識します。
活性酸素除去をサポートするために、抗酸化物質を積極的にとります。また生活習慣をあらため、活性酸素自体の発生を抑えることも大切です。
一つ一つみていけば、活性酸素は何も恐ろしいものではないということがわかります。