コレステロールが高いと病気になるから下げないといけない。コレステロールは危険だからコレステロール値を下げないといけない。いろんなところでコレステロールの危険が言われていますが、コレステロールは本当に悪いのでしょうか?今回はコレステロール役割などをみていきたいと思います。
コレステロールが悪い結果をもたらす原因は食べすぎによるものです。本来、コレステロールは体に必要なもので、悪くありません。
目次
体は常に変化し環境に対応する
高血圧や活性酸素も体に悪いといわれています。
しかし血圧が上がるのは体にとって必要だから上がっているのです。それを無視して降圧剤による対症療法に頼る医療は健康寿命を延ばすことにはつながりません。薬を売る人が喜ぶだけです。
活性酸素も害だといいますが、免疫に関係していますので必要です。
私がいつもよく言うことですが、体の中で起こることは人体にとって必要だから起こるのです。人間の体は本当によくできています。人間は自然界で生き残るために様々な能力を獲得し進化し子孫繁栄をしてきました。そして体は常に変化し、その時々に対応できる様になっています。
コレステロールが悪くない理由
コレステロールの70~80%は肝臓で作られます。食事から摂取するコレステロールが多くなれば、肝臓で作られるコレステロールの量が調整され一定になります。
人体で作られるコレステロールが70~80%という時点でコレステロールは体にとって必要なことがわかります。
昔は
HDLは善玉コレステロール
LDLは悪玉コレステロール
という言い方をしていました。
コレステロールの役割
・細胞の外膜を作る
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人体役60兆個の細胞の膜をリン脂質やタンパク質とともに形成し、細胞を守る働きがあります。コレステロールが不足すると、細胞膜が本来の機能である細胞を守るということができません。そのため免疫力の低下により、がんなどの病気にかかりやすくなったり、新陳代謝の低下により老化が促進します。
・消化に必要な胆汁酸の原料となる
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胆汁酸は胆汁の原料になります。胆汁は脂肪の消化吸収を助けたり、ビタミンDの体内への吸収を促進する働きがあります。コレステロールの不足により代謝不良になり、ビタミンDの体内の吸収がうまくいかなくなります。
・体内におけるビタミンDや女性のエストロゲン男性のテストステロンのような性ホルモンの生成を促すといった働きがある
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ビタミンDはカルシウムの吸収を促進する働きがあり、体内で生成することもできます。
性ホルモンや副腎皮質ホルモンにコレステロールは深くかかわっています。
副腎皮質ホルモンは免疫やストレスにかかわるホルモンを放出します。女性のエストロゲンと男性のテストステロンはそれぞれの第二次性徴を促し、生殖機能と成長にかかわっています。コレステロールが不足するとストレスに体が対応できず精力減退や、月経不順などの体の不調があらわれます。またビタミンD不足によりの骨粗しょう症発症のリスクも高くなります。
LDLは血液に乗って体全体にコレステロールを運びこれらの生命を維持する役割を果たしています。ですのでLDLは悪くありません。
そして、コレステロール自体に種類はありません。コレステロールはコレステロールです。
HDLは高比重リポタンパク
LDLは低比重リポタンパク
といってコレステロール中性脂肪などの脂質を体隅々にまで運ぶに運ぶパッケージ全体の事を言います。
LDLが悪者にされた理由
LDLが悪玉コレステロールといわれていた理由は、LDLが増えすぎると動脈硬化の促進・糖尿病・高血圧・心筋梗塞や脳梗塞などの生活習慣病を発生させる要因となるからです。
LDLは全身の60兆個の細胞にコレステロールを運搬します。細胞の必要とするコレステロールは限られていますので、余ったLDLは血管内にとどまり動脈壁に付着します。
一方HDLは動脈壁にたまったコレステロールを回収して肝臓に戻す働きがあります。
一番の悪は食べすぎ
最初にも書いたように食べすぎが最大の原因です。体内で作られるコレステロールは調整されますが、長期間の食べすぎによって体内の調節機能では処理できなく、コレステロールの過剰を作り出します。
食べ過ぎによって肝臓へ運ばれる中性脂肪が増えると肝臓で合成されるVLDLが上昇するためLDLが上昇します。
また、中性脂肪の代謝によってできる遊離脂肪酸がインスリンの働きを弱くするため、糖尿病にります。更に遊離脂肪酸が肝臓に戻りVLDLを増加させLDLも増加します。
人間の欲望をコントロール出来ないことを棚に上げて、体にとって無くてはならない物質を悪者扱いするのはいかがなものかと思います。