本の紹介

田舎暮らしの理想と現実。夢見る人を奈落に突き落とす本を発見した

2020年4月6日

都市部に住んでる人は、一度は田舎暮らしをしてみたいと憧れを持つのではないでしょうか。そんな夢見る人に現実をたたきつける本があります。内容は非常に為になり、田舎暮らしを考えている人は是非読んでいただきたい本です。この本を読んで少しでも気持ちが揺らぐようなら、移住はあきらめた方が良いでしょう。年に一回程度の旅行で終わらせるべきです。

本のタイトルは

「田舎暮らしの教科書」著:清泉亮

です。

本との出会い

この本はいつも通りアマゾンでどの本を買うか見ていたら、なぜかお勧めに入っていました。通常お勧めには今まで買ったものの傾向から紹介してくれるはずなのですが、なぜこの本が紹介されたのかわかりません。

この本から、関連書籍を調べると田舎暮らしに関する本はいくつか出版されています。全てを購入して読んでみて、この本が一番読みやすかったので、こちらを紹介します。

他の本は、好き嫌いがはっきりしそうな感じがしました。当然注意を促すために田舎暮らしに批判的なことが書かれています。人によっては、悪口と思えるようなことが頻繁にでてくるわけです。しかし、この本であればそこまでひどくなく注意を促してくれ、比較的万人に受けいれられる感じがします。

あくまでも、注意を促すものであり、完全に否定するものではないことを繰り返しお伝えしておきます

田舎暮らしにあこがれる人々

私も20代の時は地方の自然に囲まれた土地で暮らしてみたいと夢を持っていました。それは、田舎と自然がイコールだったからです。しかし30歳を過ぎたあたりで、暮したいと思わなくなりました。なぜならものの見方が変わったことと、今住んでいるところにも自然があると気づいたからです。大自然に身を置きたいと思えば旅行で事足ります。

田舎とは
1.都会から離れた地方。在郷。在ざい。
2.人家・人口が少なく辺鄙へんぴな所。
抜粋:大辞林 第三版

人はないものを望む傾向にあります。隣の芝は青いものです

都会に住んでいる人は普段見慣れない大自然に憧れがあります。そして、そんなところでずっと暮らせたらいいなと妄想をします。なぜなら、その自然が普段の仕事の疲れを癒してくれるという経験をしているからです。旅行でそういう経験をしたり、最近では動画にもアップされていて、その風景を見ると憧れを持ち、妄想に掻き立てられる人も多いはずです。動画の再生回数やコメントなどをみれば、どういった気持ちで見ているかということが分かります。皆仕事に疲れて少しの癒しが欲しいと思っています。そして自然のある場所と言えば都会ではなく地方であるということは共通の認識としてあります。だから田舎暮らしにあこがれるのです。

人間関係に夢を見る

田舎では都会に無い人間関係が築けると錯覚をします。

確かに都会ではマンションで引っ越しをしても隣の人の顔も分からず住んでいるという人も多い事と思います。昔ではあり得ないことです。

ところが、それはそれでストレスのかかることです。無いものねだりで、昔の様な付き合いができて大自然に囲まれて、自給自足をしてなんていう考えが頭をよぎります。

自給自足生活に憧れる

素人が畑で作物を育てようと思ったら何年かかるかわかりません。種を植えたからといって、生えてくるものではないからです。何故それを私が知っているかというと、昔家の田んぼで米を作っていたからです。その当時はまだ、大阪にも田んぼがたくさんありました。専業農家の人は既にいませんでしたが、働きながら兼業農家をしている人が大勢いました。

私の家の場合は無農薬のお米にこだわっていて、何年も実らなかったといいます。まずは土を育てないといけません。そこから少しずつやっていかなければいけないもので、種や苗を植えてできたら苦労しません。

食べ物を作ることは本当に大変なことです。形が不ぞろいであれば、買い取ってもらえないというのもおかしな話です。消費者がそうさせているのですが、そのしわ寄せは消費者にダイレクトに返ってきています。

地方でもいいところには若い人がいる

そもそも地方で若者がいないところは、なぜ若者がいないのかを考える必要があります。本当に素晴らしければ、学校に行くためにその土地を出たとしても、卒業すれば地元に帰ってそこで就職するはずです。ところが、そうせずそのまま都会に残る若者が後を絶ちません。その結果若者のいない村が出来上がるのです。

就職先がないというのが理由かもしれませんが、無いものは作ればいいのです。未開拓の地を開拓していったその地の先祖は正にそういう状態だったことは想像がつきます。何もないところから作り上げてきました。それは都会にも同じことが言えます。そこに住む先人にできて、その子孫である人達にできないわけがありません。

簡単に言えば、地元を離れる若者にしてみれば魅力がないのです。魅力があれば賑わっているはずです。若者がいない地域にはそれなりの理由があるという事です魅力のある地方ではそこで育った若者が返ってきてその土地を盛り上げているのが良い証拠です。

今まで積み上げてきたものは?

通常社会人になれば就職して、仕事をします。その仕事は自分で選んだはずです。自分でしたい仕事をしてきたはずです。にもかかわらず、「老後は好きなことをして過ごしたい」と言うのです。少し矛盾しているのではないでしょうか。もしそれが本心であれば、今まで何だったのでしょうか。無理に無理を重ねて、あるいは強制労働でもさせられていたのでしょうか。

再就職をした経験のある人もいるかと思います。通常今までの経験を生かした仕事場を選びます。それが合理的で何よりも自分がやりたいことだからです。

例えば、今まで経理事務として働いていたとします。そして病気やけがなどで長期間働けなくなり、退職を余儀なくされたとします。体が元に戻り再就職先を探します。その時に前の職種と同じかまたは近いものを選ぶのではないでしょうか。経理事務をしてきて、再就職で全く未経験の営業などに応募することはなかなか考えられないことです。もちろん人生に後悔を残さないために、本当にやりたいのであればやるべきです

常に拠り所を確保する

新しいことをするときは必ず拠り所を確保してからにします。もし今から挑戦することが失敗に終わったとしても、拠り所があればそこに戻ることが出来ますRPGゲームでいえばデータをセーブ(記録)することです。セーブをせずに進めることは大変危険です

ゲームと同じようにどうしても田舎で暮らしたいと思っている場合、ダメになった時の事を考えてから行動を移すようにします。あとに戻れない状況にすることは得策ではありません。若い時であれば、退路を断つことで、自分を鼓舞することができるかもしれません。しかし、年を取っているのであれば、今までと思い通りにいかないことも多々出てきます。

拠り所を作ることは差ほど難しい事ではありません。移住しようとしているのであれば、戻れる家をそのまま置いておくことです。そうして拠り所があれば、リスクを取って行動することが出来ます。失敗しても、セーブした所まで戻ればいいだけの話ですから、どんどんチャレンジできます。

まとめ

人は常に無いものねだりをします。今自分のあるものを見てみると意外と恵まれていることに気が付きます。

本当にやりたいのであれば、後悔しないためにもやるべきです。そのためには、先ずは拠り所を探します。

新しいことにチャレンジするときは、まず拠り所を確保してから行動します。その結果、大胆な行動をとることもでき、果敢にチャレンジすることが出来ます。

この本を読んで躊躇するようでは、覚悟が足りないため、移住はやめた方がいいのかもしれません。旅行で行く方がお金もかからずに気が楽です。また、そこまで覚悟がなくても、拠り所(戻れる場所)さえしっかりしていれば大丈夫でしょう。

  • この記事を書いた人

宮野 功次

1986年1月8日生 健康・生活に関する役立つ知識や情報を発信していきます。 鍼灸師・柔道整復師 /コメントいただけたら喜びます。

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