猫を飼ってる方であれば、猫のゴロゴロで癒された経験があるのではないでしょうか。猫のゴロゴロには、いったいどんな効果があるのかみていきたいと思います。
目次
ゴロゴロ音はどうやって出るのか
喉頭筋によって振動させられている声帯に空気が通ると、ゴロゴロ鳴るという説が有力です。
この説にいたる経緯は以下の通りです。
ゴロゴロ音は普通の鳴き声の「ニャー」と同時にならすことができるため、喉と関係のないところからなっているのではないか、血管の中で血が流れる振動音ではないか?」という血流説です。
その後ゴロゴロ鳴っているのは、喉頭の筋肉が振動して鳴っていることがわかり喉頭説が出てきました。
しかしその後喉頭部分を手術で切除した猫がゴロゴロ音を出したという報告があり、更にこの猫はその後回復し普通の鳴き声とゴロゴロ音もだすようになりました。
ゴロゴロ音はどんな時出るのか
喉を鳴らす行為は、猫がうれしいときや甘えているときに出すということはよく知られたことです。しかしストレスにさらされたり死が迫った状況でもゴロゴロ鳴らすことがあります。
母猫がゴロゴロ鳴らすのは子猫に自分の居場所を知らせるためで、まだ目が見えない子猫はそれで安心を得ることができます。
子猫がゴロゴロ鳴らすのは、母猫に自分は大丈夫!ということを伝えるためです。
猫は4,5匹同時に生まれますので、母猫がすべての子猫の状態を把握するのは大変です。ゴロゴロ鳴っていない子猫にだけ目を向けることができるため、非常に効率が良くなります。
餌をねだるときのゴロゴロ音
餌をねだるときにならすゴロゴロ音は通常時の物よりも高いヘルツで発せられます(平均380ヘルツ)。
「早く餌よこせ!にゃー」
という感じでしょうか。これは通常のものよりも人間にとって不快と感じます。そしてこの「ゴロゴロ」は人間の健康な赤ちゃんの泣き声にも含まれる周波数です。猫はわが子の様でほっとけない、ついつい愛情を注いでしまう存在になるという理由がここにもあります。しかも猫はわかってやっている感があり、なかなか「あざとい」やつらです。
ゴロゴロ音の効果
ゴロゴロ音には猫の骨密度を高める20~40ヘルツに近く、けがをしたり病気の猫自身の自然治癒力を早める効果があります。
幸せの時にならすゴロゴロ音は27ヘルツ以下のものです。
残念ながらゴロゴロ音で人間の骨密度を高めるというデータはありませんが、猫と触れ合うと様々な人間の健康に良い効果をもたらします。
孤独感を和らげる
血圧やコレステロール値の低下
認知症やうつ病の予防
などです。
ただ「かわいい」だけでなく、これだけ健康に関係してくるのはとても興味深いところです。
実際に猫のゴロゴロ音が人間にどのような影響を与えるのかを調べた実験があります。筑波大学18~28歳21名を対象とした実験です。
ストレス負荷を与えられたのちにゴロゴロ音を聞くことによってその人の心拍数がどのように変化するのかを調べました。そして被験者が猫が好きか否かによって結果が異なるかどうかを調べるものでした。
その結果は、ゴロゴロ音を聞いた被験者は基準値の心拍数と比較して減少するというものでした。更に猫が好きかどうかということは関係ないことがわかりました。
この実験からわかることはゴロゴロ音には人をリラックスさせる働きがあるということです。
最後に
猫のゴロゴロ音についてわからないことは多いですが、人間の心を癒してくれるのは体感的に間違いないようです。
猫自身の骨密度が上がるのであれば、人間も上がるのではないかそういう研究が行われても面白いと思います。現在は人間で行った大きな研究はありません。
猫を飼っている人の方が飼っていない人よりも骨密度が高かった。こんな研究データがでたら、猫を飼う人が増えるでしょう。「猫カフェに長蛇の列!」というような見出しで、骨折した人たちが並ぶニュースが流れる日も来るかもわかりません。
画像は写真ACのriccoさん